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笹幸恵
2021.11.11 19:13日々の出来事

映画『ONODA』良かったな~

昨日、『ONODA』を見るために映画館に駆け込んだ。
ルバング島で軍事行動を続けた小野田寛郎さんを
描いたフランス映画だ。
ことさら誇張した表現もなく、淡々と描かれている。
津田寛治さんの演技が、重厚感とオーラがあって秀逸。
若いときを演じた遠藤雄弥さんの、
静かだけど雄々しい感じもシビれた。
良質な映画とは、こういうことを言うのだろうなあ。

ルバング島で最後まで行動を共にした部下の小塚が死に、
密林の大木のふもとで瞑目する津田さんの姿など、
ハッと息を呑むものがあった。
聞こえてくるのは、スコールの音だけ。
ただそれだけで、言葉にならない思いを
言葉にしないまま表現してみせる。
これぞ映画の醍醐味だろう。

ちなみにこのスコールが、過去が交錯するキーとして使われている。
これもまた印象的だった。

3時間近い上映時間なのだけど、全く飽きず、
帰りの電車ではしばし放心状態。
スマホばかり見ている今の日本人を眺めながら、
なんだか自分も別の世界から現代にやってきたみたいな
感覚に襲われた。

1981年生まれのフランス人が映画監督!!!
二重にびっくりだ。
戦後生まれのフランス人に、これほどまでに日本的な「間」が
描けるとは・・・脱帽。
今年、私の中での「名作」にランクイン。

ただ、関東圏では上映期間が今日で終わりのところが多い。
もっと早くに知っていれば宣伝できたのに。無念!!
笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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